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2009年10月26日

ノムさん終戦

 楽天が、日本ハムに4―9で敗れ、今季限りで退任する野村克也監督(74)が、43年間慣れ親しんだプロ野球のユニホームに別れを告げた。8回のピンチでは2日前に先発したエース・岩隈を投入。勝利への執念を見せたが、スレッジに3ランを被弾し、完敗で最後の采配を終えた。試合後には両軍の選手から胴上げされ、「野球屋冥利(みょうり)に尽きる」と感無量。会見での毒舌は最後まで鋭く、ボヤキ締めとなった。勝った日本ハムは東映時代を含め、2年ぶり5度目の日本シリーズ進出を決めた。

 ライトスタンドから沸き上がったノムラコールが、さざ波のようにドーム全体に広がった。敵も味方も関係ない。誰もが野村監督のもとへと集まった。「重いぞ」。ニヤリ笑うと、85キロの全体重を球界の後輩たちに預けた。惜別の拍手に包まれながら5度、宙を舞う。「日本一になって、胴上げで落とされてご臨終が理想」。いつも口癖のように話していた。観客の笑顔をまぶたに焼き付け、ベンチを去った。

 「嫌だな。照れくさいやん。あんな胴上げは初めてだ」。温かいファンの声援が心にしみた。「本当にありがたい。野球屋冥利に尽きる。敵地であんなに激励してもらえたんだからな」。稲葉や坪井、吉井コーチ。敵軍にも「野村の考え」をたたき込んだまな弟子たちがいた。「縁だから。人間、何を残すか? 人を残すのが一番。少しは野球界に貢献できたかな」。ユニホームを脱いでも、自らの教えは永遠に伝承されていく。それが何よりもうれしかった。

 ラストタクトは完敗だった。先発の左腕・藤原が2回4失点の大誤算。劣勢で迎えた8回2死二、三塁、最後のかけに出た。2日前に先発した岩隈を投入した。強打者・スレッジには四球を提言したが、エースの希望は勝負だった。3ランが右翼席に吸い込まれると、笑みすら浮かべた。「オレがすべて責任を持てばいい」。全力を尽くして負けたから、悔いはない。

 正直、監督業に未練はある。「ワガママ言わせてもらえば、もう1年やりたかった。石の上にも3年、風雪5年。中途半端だ」。だが、フロントを鋭く批判していた数日前の厳しい表情は、消えていた。「次の監督にすべてを託す。余計なことを言ったら失礼だ」。さわやかに言い切った。

 知将がテレビに出演した時間や新聞に掲載されたスペースを球団が広告費に換算したところ、年間300億円と計算された。野球ファンだけでなく、誰もが楽しんだ試合後のボヤキは、もう2度と聞けない。「ネット裏から見ていきますよ。楽天の変ぼうぶりを。どう変わっていくのか」。プロ野球という勝負の世界に生きた43年間。魂を燃やした戦場へと、月見草が静かに別れを告げた。


[スポーツ報知ニュース]より


 今年の楽天の快進撃には、野村監督の力が大きかったと思いますが、実際にプレーするのは選手です。監督解任に否定的な声が多いのも頷けますが、必ずしも選手が野村監督の下で、戦いやすかったかは疑問です。しかも野村監督の年俸や年齢を考慮すれば、辞任も仕方がなかったかもしれません。新監督の下で、今年以上の成績を残すことができるかが注目です。  


Posted by soss at 08:39豆知識